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いきものがかりとアルバム~後編~

いきものがかりとアルバム~後編~

≪「いきものがかりとアルバム~前編~」はコチラ≫


いきものがかりのアルバム

前編にて、いきものがかりというアーティストのルーツや魅力について語ってきた。
ここでようやく表題の「いきものがかりとアルバム」の話題に入る。
いきものがかりの楽曲は常に高品質であるが、それはアルバム曲であっても同様で、アルバム曲もシングル曲に勝るとも劣るともいえないクオリティ・こだわりを持って作成されている。

シングル的なアルバム曲

ぶっちゃけて言ってしまえば、アルバム曲でもシングルに出来る曲がいっぱいあり過ぎるのだ。
一般的には、シングル曲は分かりやすいキャッチーなメロディ、盛り上がりを兼ね備えた曲を用意し、 アルバム曲ではアーティストの持つ個性を存分に発揮して、時にはネタやイロモノ的な曲だって用意するもの。
しかし、いきものがかりのアルバムには、シングルが10曲入っている・・・そんな印象を受ける。


アルバム毎の個性

だが実は、アルバム毎の差別化があまり感じれらないのも事実だ。
アルバムは、単品料理ではなくフルコース。
1曲目から最後の曲までの連携を考え、かつ全体で1つのテーマを表現しているアルバムこそが、最高のアルバムであると思う。
それが無ければ、バラ売りのダウンロードで十分事足りる。


物足りなさに欠ける

他にも理由はある。
繋がりのあるアルバム曲というのは、大抵、1曲だけでは満足できない「物足りなさ」がある。
曲としての品質の話ではなく、「一芸に秀でて、一部の人に大受けする」というニュアンスのもの。

いきものがかりの曲は、多くの曲が「誰にでも受ける曲」である。
そのため、聴いていると1曲で満足出来てしまうのだ。
これほどまでに至りつくせりなことを実現できるアーティストはなかなかいないが、それ故にアルバムの個性、つながりに影を落としているのも事実である。


アルバムの1曲目がシングル曲

更に曲の並び順も大きな要素だ。
いきものがかりはオリジナルアルバムを6枚(2014年1月現在)リリースしているが、そのうち4枚で1曲目がシングル曲である。
加えていうならその4枚のうち、3枚が2曲目もシングル曲なのだ。

アルバムの1、2曲目はアルバムの世界観をリスナーに届ける上で大きなウエイトを占めている。
そこにシングル曲が続くと、アルバム自身の独自性は正直言って薄れてしまう。


「I」

その中で、今までの流れとの違いを感じたのが「I」だ。
このアルバムも例によって、1曲目、2曲目はシングル曲ではある。

しかし「ぱぱぱ~や」「恋跡」「なんで」「あしたのそら」「恋愛小説」など、 シングル曲にはなれないマイナーな要素を持つ曲が多数収録されている。
人の心を大きく揺さぶるシングル曲というのは、聞くほうも肩に力が入るが、 このアルバムの曲はいい意味で肩の力が抜けており、スイスイと曲を進めることが出来る。

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アルバム名に込めたマルチミーミング

またアルバム名「I」には複数の意味が感じ取れる。
上京を歌っている曲の「I(私)」と恋愛(といっても、失恋を筆頭に「哀」の要素を持つ愛)を歌う曲の「愛」。
2つの「I」をテーマとして、レトロ感を漂わせるサウンドでうまくまとめられている。

そのため、このアルバムの曲は「I」、つまり私だけのアルバムの曲であると訴えているようにすら感じ取れる。
他のアルバムの曲は、どのアルバムに入っていたかを迷う時があるが、このアルバムの曲ではそんなことはない。
各曲も変化に富んでおり、閉めは温かいバラードで締めるなどアルバムとしての完成度は非常に高い。


これからのいきものがかり

正直、前回の「NEWTRAL」を聞いた時、各曲のレベルは高いが、楽曲がパッケージ化してきたのでは?と懸念していた。
しかし、今回の「I」でそんなものは吹き飛ばされてしまった。

これからもいきものがかりには、日本のポップス界を長く牽引していってもらってほしいと願う。
そして、まだ獲得したことのないシングルでのオリコン1位を獲得してほしいとも。

配信がメジャーになり、CDシングルが握手権の代用品となった現在で、「オリコン1位」という響きに大した価値はない。
しかし、日本のポップスはまだまだこれからだと見せ付けてほしいし、いきものがかりの作品はその価値が大いにあると信じている。




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