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26日目:メロディに流れを意識したコード進行を
「メロディにコード進行をつけてみよう」の第2弾は、「流れを意識したコード進行を考えてみよう」というテーマで話をしていきたいと思う。
前回は、すでにあるメロディにコードをつける場合に、3つのポイントを紹介していましたよね。
前回紹介した3つのポイントは実用性がとても高いと思う。 だけど、いずれのポイントもその小節内のみで完結するお話だったよね。 曲というものは、小節が何個も連なって構成されているから、その方法だけだと曲にまとまりが出なかったり、なんだか無機質な曲になってしまいがち。
複数小節にまたがってコード進行を考える
だからまずは複数の小節にまたがってコード進行を考えてみよう。 曲は基本的に4小節か8小節で一部分になっていることが多いから、その範囲で考えるのがセオリーだね。 今回、すでに作成されているメロディーはこんな感じ。
このメロディーを前回紹介したポイント通りにコード進行を組むと「Am→F→Em→G」となる。 さっそく伴奏と合わせて聴いてみよう。
これはこれで決して悪くはないけど、なんだか物足りなさというか盛り上げに欠ける気もします。 特に最初の2小節は良いんだけど後ろの2小節とうまく繋がっていなくてちぐはぐな印象があります。
どこを聴いてほしいのかを明確化しよう
そうかもしれないね。 どうしてそのような印象を受けるのかというと、「どこを聴いてほしいのか」という意図がコード進行に反映されていないからだ。 試しに、3小節目の頭の「ミ」の音を聴きどころとするなら、下記のようなコード進行はどうだろう。
このコード進行は「F→G→C→Am」となっている。 1小節目こそ「小節内で一番多い音に合わせる」というポイントに沿っているが、他は違うよね。 伴奏と合わせて聴いてみよう。
最初の2小節で膨らんでいったものが、3小節目の頭でしっくりはまった印象があります。 それに最後のAmの小節も、感情が深みを増しながら、次へ繋がるような働きをしています。
自分が考えていた意図はまさしくその通り。 2小節目の頭の「ド」は本来、Gとの相性はあまりよくないけど、1小節目の頭と同じであることと1小節目がFであることで、盛り上がっていく感じを演出できる。 2小節目の終わりの「ファ」から「ミ」は、1~2小節目の不安定な雰囲気から安定への切り替えが出来る。
・・・とまぁ語りつくせば、他にもいろいろあるけど、割愛します。 今回のコード進行は一言で言うなら「1、2小節目は捨てて、3小節目で勝負」ということに尽きる。
コード進行を考えるときは、小節単位ではなく、曲の部分単位、ひいては曲全体の構成から考えるべきということですね。
その通り。 たとえ、ある小節ではメロディとコードの組み合わせが不安定でも、それを後の展開への布石として使えばとっても効果的。 「どこを聴いてほしいのか」をハッキリさせて、その部分を活かすためにコード進行の流れを考えることも重要だ。
コードをつける前に曲全体の世界観を頭に入れよう
曲の部分単位、さらには曲全体の構成からコード進行を考えられるようにするには、まずは前提としてどのような曲に仕上げたいのかを明確にイメージしておく必要がある。
どんな雰囲気・世界観の曲で、AメロやBメロなどのメロディ構成とかを決めておいて・・・ということですね。
そういうことだね。 実際に作っていく中で、事前に考えていたものと変えることは多いと思うから、大体でも良い。 ただし、事前にやっておくことが「全体を見る」ということの柱であり、それが分かっていれば、聴いてほしい部分を明確にしやすいし、メリハリのある完成度の高い曲が作れるようになると思う。
◆まとめ
今回の講座『メロディに流れを意識したコード進行を』
- 曲というものは、多くの小節で構成されている。1小節のメロディを拾いながらコード進行をあてはめていっても、まとまりが出なかったり、無機質になってしまったりする。
- 曲は基本的に4小節か8小節で一部分になっていることが多いから、その部分を通しての流れをまずは考えてみよう。
- コード進行を考えるときは、小節単位ではなく、曲の部分単位、ひいては曲全体の構成から考えるべきで、中には捨てる小節も出てくるもの。
- 前提としてどのような曲に仕上げたいのかを明確にイメージしておく必要がある。世界観やメロの構成などを大体で良いので先にまとめておこう。