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19日目:ライブのリハーサルとは?
~ライブのリハーサル直前~
それにしても、もうちょっとでリハーサルですね。
頑張って練習するぞー♪
ちょっと待った。
リハーサル=練習ではない?
ライブのリハーサルは練習のことではないからね。
え?そうなんですか?
ライブのリハーサルは、スタジオのように楽曲を練習するためのものではなく、ライブ本番の各パートの音の調整を行うためのものなんだ。
実質、曲の練習する時間はほぼないと思っておこう。
主に行うことはバンドの音量バランスやイコライザ、モニターアンプの調整だよ。
ライブのリハーサルで行うこと
バンドの音量バランスをチェックする
ライブ本番の音量バランスはスタジオとは大分雰囲気が変わるため、慣れるまでは大き過ぎたり、小さ過ぎたりということがあります。
ライブハウスは確かにスタジオより広いことが多いですが、かと思って調子に乗ってあげてしまうと大きすぎることがよくあります。
スタジオより心もち大きめくらいでちょうどいいことが多いです。
もし小さすぎてもPAで補填してくれる
ステージに立ったら、ギターアンプやドラムの周りを見てみましょう。
各パートのところに小さいマイクが置いてあるますね?
これで各パートの音を拾ってPAでスピーカーから出すことが出来ます。
そのため、音が小さくてもスピーカーからの出力を上げることで自分からはあまり聴こえなくても
客席からはしっかりと聞こえるようにPAさんが調整してくれます。
しかし、反対に音が大きすぎる場合は、当然ですがPAで下げることが出来ません。
モニターアンプの調整
ステージ上を見てみると、なぜか演奏者の方に向いているスピーカーがあります。
これはお客さんに向けて出す音ではなく、演奏している自分達に音を出すためのスピーカーです。
ライブ中はスピーカーなどは基本的にお客さんに向けるため、自分や他のパートの音が聞こえづらいことがよくあります。
しかし、ドラム・ベースが聞こえないとバンドのリズムを保つのが難しくなります。
またボーカルは自分の声が聞こえないと音程が取れません。
そのため、各パートの音を互いに聴こえるようにするため、各パートに向けてモニターアンプが設定されています。
リハーサル中に他のパートが聞こえづらいような場合は、PAさんに「○○のパート、返してもらえますか?」とお願いするようにしましょう。
なるほど・・・私がライブ前に最後に歌の練習をするような場ではないことはよく分かりました。。
リハーサルは、バンドがライブ本番を万全の状態で迎えるために必要なものなんですね。
その通り。
リハーサルの出来次第でライブ本番の出来が決まるといっても過言ではないくらい。
だからリハーサルは真剣にやろうね。
リハーサルの流れ
リハーサルの流れは以下のような感じになります。
時間が余っている訳ではないので、てきぱき進めていきましょう。
①ドラム
まずはバスドラムの音をPAさんが拾うため、ゆっくりめのテンポで「ドン、ドン」と刻んでいきましょう。
PAさんが「バスドラの音をください」と言ってくれるのですぐ分かるはずです。
踏む強さは普段自分が演奏している大きさに揃えるのがポイントです。
つぎに「スネアの音をください」と言われるからバスドラムと同じ要領で今度はスネアを刻みます。
たまに「3点でください」と言われることがありますが、この場合にはバスドラム・スネア・ハイハットを絡めて叩きます。
最後に「全体でください」と言われるため、バスドラ・スネアだけでなく、ハイアットやシンバル、タムなども絡めて、実際に曲で演奏するように叩きましょう。
②ベース
ベースが適当に弾いて、PAさんが音量やイコライザなどの調整をします。
いくつか音色がある場合は、その旨をPAさんに伝えて、その音も調整してもらいましょう。
③ギター・キーボード
ギター・キーボードがそれぞれ順番にベースと同じように適当に弾いて、音色があればPAさんに伝えて調整してもらいます。
ギターが複数いる場合は「上手ギターからください」などと言われるので、その指示通りに音を出していきましょう。
(上手・下手が分からない場合は「18日目:セッティング表の書き方」を参照)
音色同士の音量差は予め調節しておこう
ギターなどでは音色をいくつも使用することは珍しくないが、その際、音色同士で大きな音量差が生じないように予めセッティングしておきましょう。
音色同士の音量に差が大きいと曲によって、音がうるさかったり、小さかったりするします。
ただし、ソロ用の音は別です。
ソロ用の音はしっかり聞こえるように音量を大きめにしておきましょう。
④ボーカル・コーラス
ボーカルが「アー」とか「ハー」とか声を出して、それをPAさんがマイク音量やイコライザを調整します。
ボーカルの音量や音域のバランスはボーカルによって大きく変わるため、ここでしっかり調整してもらいましょう。
またリハーサルでも本番と同じように歌うようにしましょう。
⑤バンド全体の音をチェックする
各パートの調整が一通り終わったら、今度はバンド全体での音量バランスを確認します。
何番目かの曲を1番だけやるといった形でバンドの音を確認しておきます。
終わったら、上記のモニターアンプのお願いなどをしてください。
バンドの音の確認中は、誰かひとりが客席の方に移動して、どのように聴こえているかを確認することは重要です。
⑥時間が余ったら曲を練習できる
①~⑤が終わってリハーサルの時間が余っていたら、残り時間で曲を練習できることはあるかもしれません。
PAさんに「まだ時間ありますか?」と聞いてみて、余っているようだったら曲の練習をしても良いでしょう。
基本的には、各曲を1番だけやるといった感じでなるべくいろいろな曲をやるのがいいと思います。
その途中で、自分の音や誰かの音が聞こえなければ、追加でモニターアンプの調整などをお願いするようにしましょう。
リハーサルでやってはいけないこと
リハーサルでやってはいけないこともあります。
コツとしては、ライブハウスのスタッフさんの言うことを守り、勝手なことをしないことです。
何かしたいことがあれば、必ずライブハウスの人に確認を取ってからにしましょう。
- マイクやギターのケーブルを勝手に抜く
- 各パートの音量チェック中に他の楽器が音を鳴らす
- リハーサル中に、アンプなどの電源を切る。または音量を"0"にしないで切る
- 準備してくれているスタッフさんに挨拶をしないこと
リハーサルのセッティングは覚えておこう
これは主にギター・キーボード・ベースの人向けなんだけど、リハーサルが終わったら、キーボードの設定、ギター・ベースのアンプなどの設定は必ず覚えておきましょう。
本番にアンプのセッティングをするのはライブハウスの人ではなく、自分です。
これで本番までに設定が変わってしまったら、せっかくやったリハーサルが意味のないものになってしまいますので気をつけましょう。
◆まとめ
今回の講座『ライブのリハーサルとは?』
- ライブのリハーサルは練習の場ではなく、ライブ本番の各パートの音の調整を行うためのもの
- 音量が小さい分には、PAさんが調節してくれるが、大きいと調整できないので気をつけよう
- リハーサルのセッティングは必ず覚えておこう