本ページはプロモーションが含まれています。
38日目:オリジナル曲をバンド全体でアレンジ
さて、ここまで各パートのアレンジ方法について説明してきたけど、 今回はバンド全体でのオリジナル曲のアレンジについて話していきたいと思う。
ボーカルのアレンジは無いんですか?
ボーカルはアレンジっていうより、いかに練習して、曲の意図を理解して表現するかに尽きる。
だから、アレンジとして説明するのもアレなので取り上げなかったんだ。
そうなんですね。分かりました。
ワンマン作曲か、共同作業か
誰かが曲を作ってきた場合に、伴奏まで作ってくる場合と、メロディとコードのみ作ってくる場合がある。
ワンマン作曲の場合
作曲者が伴奏も作ってきてくれた場合は、その伴奏を原案として各パートがアレンジを加えていこう。
各パートのアレンジのコツは、今までのアレンジ講座で説明している。
ただし、作曲者としてどうしてもこだわりたい部分があるもの。
その部分はなるべく尊重してあげたいので、作曲者とは「曲全体のイメージ」と「出来れば原案のまま演奏してほしいところ」の確認はするようにしよう。
メロディとコードのみの場合
作曲者が伴奏を作らない場合、つまりはメロディとコードのみを作ってきた場合には、バンドメンバー全員でアレンジしていくことになる。
スタジオの時間をいつもより多めにとって、「1時間はアレンジね」みたいに決めて進めると良い。
ただし、その場でアレンジを考えるのではなく、個人個人が考えてきたものを持ち寄って、スタジオ練習の時間を使って確認・修正を行うようにすると効率が良い。
曲のイメージをしっかりと共有
だがその前に、曲のイメージをバンド全体でしっかりと固めて、共有しなくてはいけない。
曲のイメージがバラバラだと、例えばドラムがゴリゴリ叩いているのに、ベースがおしゃれなアレンジをしてくる・・・という事態も考えられる。
進行役を決めて、テキパキと進める
元ネタがメロディとコードのみの場合、作曲者も明確なイメージを持っていない場合もある。
ぼんやりしたまま進めてしまうと、時間ももったいないし、質の高いものが期待できない。
そのため、みんなの意見を集めて、テキパキと決めていく進行役が必須となる。
ここで進行役に期待したいのは柔軟性。
決める部分はどんどん決める必要があるが、アレンジの途中でより良いものが浮かんでも対応出来るようにメンバーの意見には常に耳を傾け続けよう。
大事なのは試してみること
また、メンバーがアレンジについて提案してきたら、それが微妙と思っても、否定することはしてはならない。
頭ごなしの否定は、メンバーのモチベーション低下や不協和音を呼ぶし、バンド全体の創造力を養わない。
オリジナル曲のアレンジで重要なのは、バンドメンバー全員の創造力と音楽力。
何はともあれ実践してみて、そこから判断すればよい。
実際に演奏してみて、良かったかどうかを実感できるものだ。
どっちが良い?
効率では、作曲者によるワンマン作曲
作曲者のワンマンで進めるのと、バンド全員で曲を組み立てていくのではどちらがスムーズにオリジナル曲のアレンジが進むだろうか?
答えは言うまでもなく前者。
作曲者が伴奏を用意してくれているので、既に曲のイメージが確立されていることが大きい。
それを元にアレンジの内容を考えることが出来るので、かかる時間も少ないだろうし、合わせるのも苦労が少ないだろう。
曲のユニークさ、思い入れでは全員での組み立て
時間的効率では劣るものの、曲の面白さや各メンバーの思い入れを考えれば、全員で伴奏や展開を考える方だろう。
一人ひとりがオリジナル曲の構築している実感が湧くし、一人では出ないユニークなアイディアが出るかもしれない。
それに曲に対して、自分でしっかり考える必要があるので、メンバーの曲への理解度もこちらの方が高いだろう。
どちらにも良さがある
以上のことから、どちらの進め方にも良さがあるため、どちらがいいという結論は出ない。
バンド活動のスケジュールやメンバーの技術を考慮して決めていくと良いだろう。
とはいえ、個人的にはバンド立ち上げのオリジナル曲が少ない時期では、作曲者が伴奏まで作ってきて、 バンド活動が進んでメンバー間の信頼が出てきたくらいに全員でのアレンジを行うというのが良いのではと思う。
オリジナル曲の充実感は抜群
みんなで作り上げた曲をライブで演奏するのは、すごい充実感がある。
そこには、オンリーワン的な価値があり、オリジナル曲は自分達の子供であり、アイデンティティだ。
是非ともバンドでオリジナル曲に挑戦してみてほしい。
◆まとめ
今回の講座『オリジナル曲をバンド全体でアレンジ』
- オリジナル曲は伴奏まで作ってくる場合と、メロディとコードのみ作ってくる場合がある
- ワンマン作曲の場合、作曲者としてこだわりたい部分があるもの。作曲者と「曲全体のイメージ」と「出来れば原案のまま演奏してほしいところ」を確認しよう
- 作曲者が伴奏を作らない場合は、スタジオ練習でアレンンの時間をとり、それぞれのアレンジを持ち寄るようにするとよい
- みんなの意見を集めて、テキパキと決めていく進行役が必要。また進行役はアレンジの提案を頭ごなしに否定しないように
- バンド立ち上げのオリジナル曲が少ない時期では、作曲者が伴奏まで作ってきて、 バンド活動が進んできたら全員でのアレンジを行うというのが良いかも