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35日目:ドラムアレンジのコツ

前回、「オリジナルバンドをやろう」でオリジナルについて話したけど、 今回からは各パートのアレンジのコツについて話していきたいと思う。
まずはドラムのアレンジについてだね。

ドラムといえば、とにかくリズムを刻む!・・・だけではないんですよね。

リズムを刻んでバンドをコントロールするのは大前提。
それは、「ドラム・ベースの役割」でも触れたね。
今回はアレンジするという視点で考えてみよう。


Point1:曲全体のメリハリ

ドラムは叩き方によって、曲の盛り上がりを自由に変えられる。
盛り上げる時は激しく、抑えたい時は優しくみたいにね。

まずは曲全体を通して、盛り上げる部分と抑えたい部分を考えてみよう。
例えば、Aメロ・Bメロは抑え目、サビは激しくというのがポップスではセオリーだね。
曲の中で盛り上げたい部分に優先順位をつけておくと、アレンジしやすくなると思う。


Point2:曲のスピード感

ドラムは、4ビート、8ビート、16ビートというように同じBPMでもスピード感を変えることが出来る。
4ビートだとゆっくり穏やか、または縦ノリのしやすい曲になるし、 16ビートだと疾走感あふれる曲にしやすい。ハイハットのオープン/クローズを使い分けて軽快に演奏したいね。

基本的なビートを決めておいて、局所でテンポを変えると曲が間延びしなくてよい。
あとはブレイクと呼ばれるバンド全体でパッと音を切って、ソロパートのみ演奏するという演出も効果的だ。
どちらにせよ、曲やバンドのバランスを考えて、導入するのがコツ。


Point3:曲調が変わる部分を強調しよう

曲調が変わる場面では、ドラムが「曲調が変わる」ということを示すようにしよう。
例えばAメロからBメロに映る時に、スネアの連打を入れたら、曲調が変わることを聴いている人が分かりやすくなり、曲の展開がスムーズになる。
ちなみに、上記のような楽曲の繋ぎ目の小節で変化をつける演奏のことを「フィルイン」、いわゆる「おかず」という。

区切りの小節の頭にはシンバルを

上記の「フィルイン」の後の区切りの小節の頭には、クラッシュシンバルを持ってくるのがセオリーだ。
シンバルの音が鳴り響くと、聴くほうは一つの区切りや強調として感じる。
また、シンバルの音は高音のため鳴りがよく、耳に通りやすいため、アクセントには持ってこいだ。


Point4:シンコペーションを使いこなそう

シンコペーションとは、裏拍の音が次の表拍の音にまたがってなり続けること。「食う」という呼ぶこともある。
シンコペーションとなる裏拍では、オープンハイハットやシンバル、バスドラムなどを鳴らしたりすることが多い。
そのまま次の裏拍からバスドラムで入るというのがよくあるアレンジだ。
うまく使えば、とてもかっこいいリズムになる。


Point5:ノリを他のパートと共有しよう

今まで挙げてきたコツを実践しても、それが他のパートと共有されていなければバンドとしてのノリは生まれない。
アレンジを考えたら、必ず他のパートと共有するようにしよう。
曲全体の盛り上げ方、スピード感、、キメの部分など出来るだけ掘り下げてメンバーと話し合おう。

ベースとの連携は特に大事

特にベースとの確認は非常に重要。
ドラムとベースの認識が合っていないと、他のメンバーはどちらに合わせるべきか混乱してしまう。
両パートがバラバラだと、バンドとして機能しないことを忘れずにね。


ドラムアレンジは、センスと考え方が問われる

ドラムは音を和音として出すことは出来ず、リズムとしてしか出せない。
そのため、曲ごとの変化をつけるのが難しい。
ドラムのアレンジは他のパートと比べて、一番その人自身のセンスとドラマーの考え方が問われると思っている。

バスドラム、スネア、ハイハット、タム、シンバルというたった5種類の音色を組み合わせて、リズムを刻みながら、セオリーを守りながら、変化をつけていくことが求められる。
だからこそ、一番曲と向き合い、理解するという姿勢を持ち続けることがドラムアレンジの一番のコツだ。



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◆まとめ

今回の講座『ドラムアレンジのコツ』

  • 曲全体を通して、盛り上げる部分と抑えたい部分を考えてみよう。盛り上げる部分の優先順位をつけると良い
  • ドラムは、4ビート、8ビート、16ビートというようにスピード感をコントロールする。基本的なビートを決めておいて、局所でテンポを変えて間延びしないようにするのがコツ
  • 曲調が変わる場面では、フィルイン(おかず)を入れて、聴く人に「変わるぞ!」と強調しよう
  • アレンジを考えたら、必ず他のパートと共有するようにして、バンド全体で共通したノリを出そう。特にベースとの連携は重要
  • ドラムはリズムの音しか出せないため、一番曲と向き合い、理解するという姿勢を持ち続けることがコツ

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